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2013年8月22日 (木)

祝・復刊・花森安治。

花森安治.jpg

昭和を代表する卓抜なジャーナリストにして
服飾評論家、デザイナー、イラストレーター
と多岐にわたり才能を開花させた花森安治氏。

その生誕100年目となる2011年を機に、
旧著が続々復刊されていることをいまさら知りました。
いやー、うれしい
これは全部ほしくなってしまう
(『金欠』なのに困った困った)。
(しかし、版元が「暮しの手帖社」ではない別の出版社なのが意外。なぜ?)

あざやかな毒舌が小気味よく、
よいものはよい、悪いものは悪い
と明言する歯に衣着せないジャーナリスト魂にしびれます

・・・いまどきの、妙に遠慮がちで
あきらかによくないことでもあいまいにぼかして
迎合するような
私っていいひとなのよ、誰からもきらわれたくないし
前後左右みんなによく思われたい
(意識してるのか無意識かはわかりませんが)
・・・なんてしねくねした言論人に
つめのあかでもせんじて服用してほしいほどです

・・・まあ礼賛ばかりもしていられない、

岸さんに、一つ忠告したいことがある。
あなたは、飛行機に乗るときと降りるときには、きまって小さな台に上って
おもむろに、なにか読み上げないと気がすまないらしいが、
あれはおやめになった方がよろしい。

・・・・・・・(略)・・・・・・・

・・・文章がなってない。一体だれが作っているのかしらないが、
当節では、中学生だって、もうすこしマシな文章を書く。

・・・・・・・(略)・・・・・・・

国民にものを言うときは、もっと血の通った「ふだんの言葉」を使うことだ。
その上で気に入れば人気も出るだろう。

もっとも、顔をみせると、トタンにソッポを向かれる心配も、ありそうですがね。

(↑まちがいなくこの最後のひとことが言いたかったんだろうな。すばらしいオチ)

・・・この程度のことは、いまどきの新聞だって書きそうですな

偶然ながら、その岸さんのお孫さんが現在の総理なわけだけれども。

あと、服飾に関する言及で

セーターは色で着るもの。
何かもっともらしい模様編みがゴタゴタしているのは、手芸学校の展覧会めいて、
汚れっぽく、いやらしくてならない。メリヤス編とガーター編それだけでいい。

セーターにまで、模様をつけないと承知しないのは、ことに日本人の、いけないクセである。

模様編みより、もっとおろかしいのは、毛糸の上を、毛糸でぬいとりしたセーター。
これから銀座界隈に見かける、ムロン目の玉のとび出るようなヤミのセーターには、
きっとこんな細工のしてあるのが多いと思う。
下品低劣俗悪、ただ編み賃を引き上げるだけのもの、ゆめにも着て歩こうと思わぬこと。

(・・・ずいぶんなこきおろしようだが、
当時フェアアイルやアラン、目のさめるようにうつくしい伝統ニットは
まだわが国に普及しておらず、
戦後の物資欠乏時代に毛糸の不足ぶんをおぎなうために苦肉の策として
色とりどりのでこぼこ、ごてごてした悪趣味なセーターが出回っていたのでしょう。
ただ、氏のセンスのよさには頭が下がります(^^))

・・・やめてほしいのは、真赤なコートやスーツ。
土人の女みたいな感じで、まともな神経のひとが着るものではない。
あの真赤な服をみると、あの「洋服を着た猿」という言葉が、胸にささって来るのである。

(いまの時代なら、ここまでストレートに言っちゃうと
「差別だ」「女性蔑視だ」と、こてんぱんに叩かれちゃいそう
しかし戦後ほぼ70年、すでにパリコレでも日本人デザイナーが大活躍し、
日本女性のプロポーションやファッションセンスも(もちろん個人差はありますが)
グローバル化しましたね、めでたいことです)

うーん「時代」を感じる。

「時代」をよみとくうえでも氏の著書は稀有な資料ですが、

またそれのみにあらず、

「時代」を越えて共感させられる提言、
現代にこそ再考したい主張
も多々埋もれている、いわば「宝の山」。

若い方々にもぜひ広く読んでいただけることを希望します

『流行の手帖』や『暮しの手帖のスタイルブック』もぜひ復刊してほしいです。

もちろん現代にあてはめて実用化は難しいでしょうが、
当時の急激な洋装化にのった洋裁ブーム、
洋裁を習ったことのない人も簡単に縫えてしかも着心地よく美しい
ということで氏が提唱した『直線裁ち』の普及など
「時代」の懇切な解説ふくめて新たに出版してくだされば・・・と祈ります

暮しの手帖社さま、いかがでしょうか


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