
昭和戦前の主婦之友、今から77年前の雑誌。
すでに歴史的遺産になりそうです。

本文グラビアより。
西條八十作詞の『長期建設大陸音頭』にあわせて
若き日の山田五十鈴さんの舞姿。艶やかな日本人形のような美しさ。
大東亜共栄を標榜しながら、日中戦争が泥沼化していた時期でしょうか。
人気連載
山本有三の『新編・路傍の石』。
和田三造画伯・画。
成績優秀なのに家が貧しく進学できない鬱屈感から、
子供どうしの自慢話のさなか汽車のくる鉄橋にぶらさがったことがあると
口をすべらしてしまい、みんなのまえで実行させられるはめになる吾一。
運転士が線路に横たわる姿を見つけ、緊急徐行したために間一髪助かる、
朋輩の京造と抱き合う吾一、しゃくりあげながらお互いをかばいあう二人
を見つめるおとなたち。
路傍の石のようにたあいなく
過酷な運命にほんろうされながらも真っ直ぐに生一本に生きぬこうとする
吾一少年の姿は時代をこえて感動をよびます。
が、年とってから(笑)再読すると、とある疑念が(ひねくれてますねえ
)・・・
ちょうど、見事に言い当ててくださっている内容がヤフー知恵袋
にあがっていました。
山本有三「路傍の石」について
・・・両親のふがいなさはともかく
クラス担任の先生や先生の友人で慶応出身のインテリの本屋さんあたり
が、知恵や情報をつけてくれそうなものですが、
それではお話が成り立ちませんね
。
ともあれ、明治がすでに30年近い昔になった当時の
昭和戦前でも、家が貧しく進学できないどころか
口べらしに奉公に出されたり
女の子だと遊郭に売られたり
苦難にあえぐ子供たちは少なくなかったのでしょう。
しかもまもなく第二次大戦、
戦局はあっというまにエスカレートして
進学組も
大学生
の学徒出陣、それより年少の旧制中学や女学校の生徒
は勤労奉仕で工場動員
と、勉強したくてもできないたいへんな時代が到来。
苦難の時代を懸命に生きぬいた
子供たち筆頭に、当時の先人のみなさんに、低頭するのみ。
家計をあずかる主婦必読のマネー講座
ずばり、『お金に不自由せぬ法』
執筆者の和田見治氏は、現在でいうところのフィナンシャルプランナー、
財務のプロとして大活躍なさっていたであろうことがうかがえます。
その説くところは意外にも
、
いや普遍の真理というべきか、現代にも通ずる、
最近のマネーコンサルタントの指南書にも書いてあるような内容
。
まず眼鏡と算盤を用意しなくちゃならん、
何をするかって?
年がら年中ピイピイしている人の懐をのぞいて、パチパチ計算してみるのですよ。
すると、ここに不思議な現象が現れてくる。
ピイピイしている人の大部分は、実はピイピイしないですむ人なんです。
収入と生活との調和がとれていない。
『どうして、そんなにお金に困ることが好きなのか』
と言いたいほど、お金の使い方がへたなのです。
月給70円のサラリーマンが月30円の借家に住んでいたり、
6、70円もする洋服を着ていたり、
純益80円の商人が毎日晩酌をやっていたり、
そんなことでは 不自由するのが当たり前じゃありませんか。
大ざっぱ(笑)に換算して、
月収35万円で月15万円の賃貸マンション住まいだったり
おしゃれな人だと30~35万円もの洋服
を持っていたり・・・
現在でもありそうですね
。
毎日飲み歩いていたら
、そうとうな出費になりそうだし。
・・・私は自分の体験から割り出して言うのですがね、
金に困らぬ第一番の先決問題は、どうのこうのと理屈を言わずに、
収入の1年分をあっさり貯めてしまうことですよ。
これがそんなにむずかしいことでしょうか。いやいや決してむずかしいことはない。
もちろん安直な考えでできることではないが、心がけ一つ、決心一つで
案外大した苦労もなくやりとげられるのですよ。
日収1円の給仕さんなら365円、
50円のサラリーマンなら600円、
80円の人なら960円、100円なら1200円、
これだけはどんなことがあっても貯めなさい。
そして、そのうちのひと月分は現金でしょっちゅう持っているようにして、
残りの11ヶ月分を、利率は低いが安全な郵便貯金にしておくのです。
なるほど
。
これはいけてる(実行はむずかしいけど)。
月収25万円なら、めざすは貯金300万円
。
(・・・遠い道のりかも
。)
平成時代に郵便局
は民営化して、ゆうちょ銀行
が
一般の都銀全般
とくらべてより安全か
となると、ちょっとむずかしいけど
(さいわい(笑)我が家の場合は両方に困るほどの預金もありませんが(苦笑)
)。

どうです、これがお金に不自由せぬ原則ですよ。同時に、貯金の第一課ですよ。
これだけを最低の貯金にして、使ったらすぐに補充する、
収入が上がったら増加するという風にして、これを一生涯繰回したら、
ピイピイすることなんかあるもんですか。
収入の1年分をそっくり出さなきゃならぬ場合なんて、人間一生のうち滅多にあるものでは
ありませんよ。
ごもっとも。
経営者でもない一家庭
で、一般的な
一挙に法外な支出といえば・・・
・お子さんが遠方の大学入学
・同様に、外国留学
・お子さんの結婚披露宴
・家族の葬儀
・お墓の建立
・長期にわたる怪我や病気療養
・マイホームの頭金
とかでしょうか。ただし時期と場合によっては何件か重なるケースもままありそうです。
まあ万全とはいかないまでも奨学金や高額療養費制度、病気で就労できなくなった場合の障害年金などの社会福祉は現代のほうが進んでいるでしょうし、
冠婚葬祭費は家族葬など工夫しだいで出費をおさえられる可能性がありますが。
・・・さて最後に、勤倹力行してお金に不自由していない人の生活ぶりは、
そろいもそろって見事なものだが、その中から皆さんの参考になるような、
数々の美徳を拾い出してみましょう。
第一に、お金を大切に取り扱う。
第二に、物を決して粗末にしない。
第三に、人を大切に扱う。
第四に、礼儀が正しい。
第五に、自分の身体を大切に取り扱う。
第六に、恩義をじゅうぶんに心得ている。
第七に、決して無理をしない。
いずれも、現代にも通用する真理ですね。
和田見治氏の著書、とくに戦後の昭和30(1950~)年代に上梓された本、
(敗戦で戦前の制度は瓦解し、リセットしたのちの再建)
いちど拝読したいのですが
現在アマゾンでも品切れか、在庫あっても相当高価なようです。
時代にうもれた先人の皆さんの叡知に、大いに学びたいですね
。

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