1982年暮しの手帖春号・ミシンの商品テスト
古書市でまよわず(笑)買いました。100円。
家庭用ミシン市場から足踏みは、はるか昔に姿を消して
ミシンはポータブル家電のカラーが強くなった時代
(すでにミシン業界は斜陽になり、各社ともOAや家電の新たなジャンルを模索していた)。
現在の家庭用ミシンの源流をみるようです。
なつかしいなあ。
当時から現在まで愛用されているかたはいらっしゃいますか。
シンガーの『モナミ』は有名な銘柄で、リニューアルされた後続機が続々
いまも発売されていたと思います。
10万円以下のフリーアームミシンをテスト、とあるものの
最高値のジャガーが102,800円
最安値のリッカーは92,000円
と価格も均質。
まだ消費税は導入されていませんでした。
それぞれのミシンで縫いテスト2000メートル、
さすが暮しの手帖らしい厳しさ。
価格も本体も、ちょうど現在の職業用ミシンに匹敵します。
(1982年当時の大卒初任給平均が127,200円、物価が現在の1/2として
換算すればテストされた家庭用ミシンの価格20万円前後?)
機能性能ぐんと割安になり、いま現在は当時の1/4の価格で
より高性能ミシンが購入できる計算になります。
有名メーカーの主流の家庭用ミシンで
自動糸調節、ボタンホール(ネムリ・ハトメ)ができ、
フットコントローラー付きとして実売価格5~8万円ほど、
ミシン本体の重量ほぼ6~8キロ程度。
・・・本文より
・こんどテストしたミシンは、これまで暮しの手帖がとり上げてきたものよりは、
どれも軽く小ぶりで、持ちやすくなっています。以前テストしたミシンは、
平均して約20キロあったのが、こんどのは10キロ半でした。
・振り幅、針目のダイヤル、模様選択ダイヤルなど合わせなければならない箇所が
多すぎるのに、ほとんどのミシンに充分な表示がありません。
・糸かけも調子を合わせるのも、いまだに人の手やカンに頼っているのも、ほかの
電気製品がどんどん進歩しているというのに、フシギな感じです。
・使い勝手を総合してよかったのは、ブラザーとリッカー、わるかったのはジャガーです。
このテストからいえること
・新しいミシンを買うときは、だれしもさぞラクに、きれいにぬえるだろうと期待します。
それにしては、今度テストしたものは、糸のかけ方や、糸調子の合わせ方など、面倒なところ
はほとんど改良されていません。
・ジグザグのフチかがりと、ボタン穴かがり以外の模様ぬいも、あまり使いみちがありません。
↑
現在も、これはかわらないかも(PC連動で刺繍機能を多用するかたは別格ですが)。
・また、フリーアームも役に立たないことがハッキリしました。このために買いかえることは
ないのです。こんな見せかけだけの小細工よりも、はじめての人がラクに、気軽にぬえる使いやすい
ミシンを、メーカーは研究開発してください。
↑
はい、まったくおっしゃるとおりです。お願いしますよー。
・そういう点から考えると、まだまだ満足できるものではありませんが、なかで買うとすれば
ブラザー、ついでリッカーがお買い得でしょう。
この商品テストからわずか2年後にリッカーミシンは和議申請、
戦前の創業から高度経済成長時代の華々しい功績、
アスリート育成やホテル・美術館等文化事業にも尽力した
産業史に輝く光芒の記憶が残りましたね。
ジューキが特許をとったロータリックス天秤
(独特の糸かけがむずかしく、縫い目の美しさに定評あるとされる)
も暮しの手帖でテストしてほしかったと思います。
ぜひ
商品テストの再開希望したいですね。
おまけ、
暮しの手帖商品テストとは無関係ですが
の裏表紙広告。
『電子のお針箱』キャッチフレーズでロングヒットになった
リッカー『マイティ』シリーズのA-303。
現在のポータブルな電子ミシン、コンピューターミシンのさきがけでしょうか。
なつかしいなあ。
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