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2016年11月28日 (月)

1982年暮しの手帖春号・ミシンの商品テスト

古書市でまよわず(笑)買いました。100円。

19821
1982年暮しの手帖第二世紀77、3・4月号。

家庭用ミシン市場から足踏みは、はるか昔に姿を消して

ミシンはポータブル家電のカラーが強くなった時代

(すでにミシン業界は斜陽になり、各社ともOAや家電の新たなジャンルを模索していた)。

現在の家庭用ミシンの源流をみるようです。

19826

なつかしいなあ。

当時から現在まで愛用されているかたはいらっしゃいますか。

シンガーの『モナミ』は有名な銘柄で、リニューアルされた後続機が続々

いまも発売されていたと思います。

10万円以下のフリーアームミシンをテスト、とあるものの

最高値のジャガーが102,800円

最安値のリッカーは92,000円

と価格も均質。

まだ消費税は導入されていませんでした。

19824均一に、

それぞれのミシンで縫いテスト2000メートル、

さすが暮しの手帖らしい厳しさ。

19823
重量は10キロ前後。

価格も本体も、ちょうど現在の職業用ミシンに匹敵します。

19822
ただし物価の上昇等考えれば

(1982年当時の大卒初任給平均が127,200円、物価が現在の1/2として

換算すればテストされた家庭用ミシンの価格20万円前後?)

機能性能ぐんと割安になり、いま現在は当時の1/4の価格で

より高性能ミシンが購入できる計算になります。

198252016年現在

ブラザーやジャノメ、ジューキ等

有名メーカーの主流の家庭用ミシンで

自動糸調節、ボタンホール(ネムリ・ハトメ)ができ、

フットコントローラー付きとして実売価格5~8万円ほど、

ミシン本体の重量ほぼ6~8キロ程度。

・・・本文より

・こんどテストしたミシンは、これまで暮しの手帖がとり上げてきたものよりは、

どれも軽く小ぶりで、持ちやすくなっています。以前テストしたミシンは、

平均して約20キロあったのが、こんどのは10キロ半でした。

・振り幅、針目のダイヤル、模様選択ダイヤルなど合わせなければならない箇所が

多すぎるのに、ほとんどのミシンに充分な表示がありません。

・糸かけも調子を合わせるのも、いまだに人の手やカンに頼っているのも、ほかの

電気製品がどんどん進歩しているというのに、フシギな感じです。

・使い勝手を総合してよかったのは、ブラザーとリッカー、わるかったのはジャガーです。

このテストからいえること

・新しいミシンを買うときは、だれしもさぞラクに、きれいにぬえるだろうと期待します。

それにしては、今度テストしたものは、糸のかけ方や、糸調子の合わせ方など、面倒なところ

はほとんど改良されていません。

・ジグザグのフチかがりと、ボタン穴かがり以外の模様ぬいも、あまり使いみちがありません。

 ↑

現在も、これはかわらないかも(PC連動で刺繍機能を多用するかたは別格ですが)。

・また、フリーアームも役に立たないことがハッキリしました。このために買いかえることは

ないのです。こんな見せかけだけの小細工よりも、はじめての人がラクに、気軽にぬえる使いやすい

ミシンを、メーカーは研究開発してください。

 ↑

はい、まったくおっしゃるとおりです。お願いしますよー。

・そういう点から考えると、まだまだ満足できるものではありませんが、なかで買うとすれば

ブラザー、ついでリッカーがお買い得でしょう。

この商品テストからわずか2年後にリッカーミシンは和議申請、

戦前の創業から高度経済成長時代の華々しい功績、

アスリート育成やホテル・美術館等文化事業にも尽力した

産業史に輝く光芒の記憶が残りましたね。

ジューキが特許をとったロータリックス天秤

(独特の糸かけがむずかしく、縫い目の美しさに定評あるとされる)

も暮しの手帖でテストしてほしかったと思います。

ぜひ

商品テストの再開希望したいですね。

おまけ、

暮しの手帖商品テストとは無関係ですが

Photo
1977年刊の『暮しの設計』別冊「木綿」(中央公論社刊)

の裏表紙広告。

『電子のお針箱』キャッチフレーズでロングヒットになった

リッカー『マイティ』シリーズのA-303。

現在のポータブルな電子ミシン、コンピューターミシンのさきがけでしょうか。

なつかしいなあ。


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