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2020年8月20日 (木)

時を越える愛。

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2017年の特集記事、 

60年前に去った残留元日本兵の夫、愛を守りつづけるベトナム人の妻

この翌年、記事の主人公・グエン・ティ・スアンさん
は天に召されました。

ベトナム残留日本兵の元妻、グエン・ティ・スアンさん死去

なんと、『ミス・サイゴン』
の真逆をゆくかたがおられたのだな
と、貧相な感慨もつのもおろかなほど
数奇な運命に立ち向かいつよく生き抜いた
すばらしい女性の一代記に、頭下がる心地です。

第二次大戦後の混乱期を二人で支えあい
4人の子をなし、
夫君はベトナム独立のために対仏抗争を戦った、
しかし1954年フランス撤退ののち帰国命令、
当時の国際規約?のために妻子を連れて帰国することはかなわなかった。

・・・その後の時代の激動、
内戦につぐ内戦やがてベトナム戦争、
ベトナム戦争後の社会混乱
と、スアンさんがどれほど波乱の過酷な人生を生きてこられたか、
察するのみです。

4人目のお子さんをみごもっているときに夫君との別離、
まだ30歳そこそこの若い女性の身で、
子供たちを育て養うだけでも並大抵のご苦労ではなかったことでしょう。

『母はつよし』で、
夫君との幸せな10年ほどの結婚生活の記憶を
生きる支えにして、お子さんたちのためにがんばってこられたのか・・・

勝手な想像ですが、
長年の歳月を、彼を待ち続けるというより
ほぼ未亡人のようなあきらめの心境、
『たとえ今世で逢えなくても、来世ではきっと逢える』
くらいの気持ちでのりこえてこられたのでは
と思います(国家間の体制や政治情勢の激変)。

そしてじつに半世紀が過ぎ、
市場開放政策(ドイモイ)で自由な活気を取り戻したベトナム、
国際交流も盛んになり、
スアンさんの生涯に関心もった日本人ジャーナリストの手引きで
ついに夫君と再会。

夫君は日本で再婚しており、日本のご家族ぐるみで
ベトナム訪問されて再会がかなったようです。
(記事中にみるおふたりのにこやかなツーショット、衣装から察するに『金婚式』祝いでしょうか。)

悲しみも苦しみも、歳月が風化させた。

再会したおふたりの間にあるのは、喜びとなつかしさ、
きっとお互いの幸せを祈る穏やかな慈愛。
(奇しくもベトナムの古典的名作『キムヴァンキェウ』のラストシーンを連想します。)


ベトジョーの記事によれば、
スアンさんの死後、先立って日本で他界されていた夫君のご遺骨はベトナムに戻されたそうです。
スアンさんの遺志を汲んだ日本の夫君のご家族にも、頭さがります。
いま、ようやく
おふたりは決して離れることなく、仲よく
同じお墓に眠っておられるのでしょうか。

スアンさんの夫婦愛の物語を
越日親善でドラマ化してほしいですね。

​​スアンさんは夫が帰国しても再婚することなく女手一つで子供を育てた。

その後、2005年に夫は日本の家族を連れてベトナムを訪れ、スアンさんとの再会を果たした。

スアンさんは毎晩ベトナムの国旗の下に日本の軍服を巻き付けた枕と一緒に眠っていた。​​

 ​夫も既に他界しており、スアンさんの希望で家族により遺骨が4000kmの距離を越えて

ベトナムに持ち帰られた。生前、地元紙のインタビューにスアンさんは、

「一度だけでも彼と再会できたので思い残すことはありません。

過去は過去です。前に進む時が来たのです」と語っている。​


胸にひびく、凛とした言葉。

これほど見事な女性に、生涯愛された夫君もまた
素晴らしいかただったのだろうと合点いたします。

偉大な先人に、ただ誇りと尊敬あるのみ。


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