悪魔に魂を売るということ。
偕成社刊・『世界の恐ろしい話』。
子供のみならず、かつて子供だった(笑)年寄りが読んでも面白いです。
できれば初版の池田龍雄先生画の表紙に戻してほしい、
裏表紙。
とても怖い(笑)けど、横目づかいがユーモラス😅。
いま読むと
あらためて
悪魔と契約する話が多いのに気づかされます。
悪魔に魂を与えるかわりに、なんらかの利得をもらう。
しかしある日突然悲惨な最期を迎える。
その利得というのも
1日に銀貨1枚とか、鍛冶仕事が上手くなるとか、射撃の名手になるとか、
城の修理(これはまだ大がかりなほう)とか
なんでものぞみをかなえてくれるゲーテの『ファウスト』にくらべれば
スケールの小さい、ごく些細なこと😥
(気前よく願いをききいれるメフィストくんはすごい、さすが大悪魔😄)。
こちらのブロガーさんの見解に、うなずかされました。
・・・どこにでもいそうな、特に悪人というほどでもない人物がちょっとした口約束で破滅する話も多いです。
まさしくこれですね。
しかもおとぎ話や昔話でなく
21世紀現代の日常に共通する要素アリアリなのがいっそうこわい、
この場合の対象は悪魔ではなく「人」、わるい仲間や犯罪まがいのグループ?
一時の快楽のために人生台無しにする、
薬物依存などはその典型かも。
さしずめ
いま問題の「闇バイト」などは、
昔話で悪魔に魂を売るのとそっくりな現象にみえます。
「大金が稼げるよ」と
ちょっとした心の隙間につけこまれ、
あまり考えずに言いなりになって
気が付けば末端の「受け子」で
脱けたくても脱けられなくなる、
待っているのは逮捕と服役。
下っ端の若者たちを使役していたグループはドロン。
人の心に「悪」が棲む・・・
世界の昔話は
キリスト教史観で
善男善女をいましめるために「悪魔」を用いて
おどかした(苦笑)のでしょうが、
「悪魔に魂を売る」(悪事に染まってぬけられなくなる)
とは、まことに言い得て妙ですね。
子供のころ、
「悪魔はものすごく『人の魂』を欲しがるけど、
とった『魂』をどうするんだろう??」
と聞いたら
実父は
「食べるんだろう😛。悪魔には『魂』が美味しい美味しいごちそう😋なんだろう」
とこともなげに答えておりましたが・・・
魂を売る「ひとでなし」に堕ちないよう、気をつけねばなりませんね。
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こんにちは、
お父様に座布団1枚!
美味しいご馳走なんだ、きっと清らかな魂ほど美味しいんでしようねー、
気が付いたら犯罪に巻き込まれていた、怖いです(T_T)
上手い話には裏がある、何でも疑ってかかれと教えたい。
昔なら子どもに、今は親に、かなぁ?
いえ、自分にも!
気を付けなくてはね!!
投稿: ローズ | 2022年2月 6日 (日) 15時44分
ローズさま、ようこそ( ^^) _旦~~
>きっと清らかな魂ほど美味しいんでしようねー、
おお、するどい!
いわれてみれば昔話にも、若者やその恋人の美しい乙女を
不幸に誘い込もうとするストーリーが多いような・・・
教訓譚なのでしょうね😊。
ちょっとたちどまって考えるきっかけがあれば、
自分の身の回りの大切な人たちを悲しませることってしづらいと思うのですが・・・
迷ったとき、自分だけでかかえこむのでなく
回りの信頼できる人に相談する習慣をつけるのもだいじなことですね。
いつもありがとうございます😄。
投稿: saruyuri | 2022年2月 6日 (日) 20時39分