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2022年2月 4日 (金)

ファウストの家。

民話と伝説の宝庫・チェコ
長年ハプスブルグ帝国の支配下におかれ
ドイツ文化の影響強いチェコでも、ファウスト博士は大人気のようです。

プラハにはなんと『​ファウストの家​』があって
有名な観光名所だとか、
日本からの旅行で訪れたかたも少なくないようです
(伝説のモデルになった実在の​ファウスト​は、チェコに住んだ史実は無いのだそうですが)。
いつかいってみたいですね。

ファウストの館
ファウスト博士の家?

ブロガーさんたちがあげてくださっている画像では
おどろおどろしくもなく、
瀟洒なヨーロッパの邸宅のおもむき、
名建築で貴重な文化遺産でしょうか。

パペットアニメで​映画化​もされている
(残念ながら私は未見)
チェコの有名な昔話・『​ファウストの家​』。

この怪談ヴァージョンが『​世界の恐ろしい話​』(2006年再刊・現在は品切れ?)

に載っています。
子供のころふるえながら読み(笑)、夜は怖くて眠れなかった(苦笑)
思い出の名作。

年をとってから(笑)、河出文庫の『​東欧怪談集​』に収録されているのを
読み返して、なつかしくなりました😊。

出典はチェコの作家アロイス・イラーセクの『​チェコの伝説と歴史​』、
ほしいけど現在は高価すぎて(苦笑)、手が出ません。

『世界の恐ろしい話』より、
池田龍雄先生の挿絵もぶきみで効果的ですね。

20221_20220205151501 いまは住む人もない荒涼たるファウスト博士の家に、ある日
ゆくあてのない苦学生が入り込む。

20222_20220205151501 人の気配もない家の卓上に1枚の真新しい銀貨、
ためらいつつも空腹にかてず手を出す学生。

​街で食事して屋敷にもどると
ふしぎなことに、おなじ場所にまた銀貨が1枚、
毎日消費しても
必ず1枚ずつ銀貨がのっている。
はじめはこわごわ、使い込んでいた苦学生も
いつか図に乗り
安逸な生活におぼれ・・・

20223_20220205151501 彼の変わりように、
あやしむ仲間の学生たちは
住処がファウストの家ときいておそれをなし、
いつか恐ろしいことになるかもしれないから
はやく引っ越すようにとすすめるが、
聞く耳持たず。

20224 毎日の放蕩に、
1日銀貨1枚では足りなくなってくる。
虚栄と奢侈にひたりきって
さらに欲はとどまらず、
もっと財を得ようと
ファウスト博士の蔵書で悪魔をよびだす方法を
調べ始め・・・
「金持ちになるんだ」
と豪語して
仲間たちに大盤振る舞いしたあげく、
ファウストの家に
入ってゆくのを見送ったのが
生きている彼をみた最後の時。

それ以後
彼の音沙汰はふつりとなくなってしまい・・・

仲間たちがこわごわ、
ファウストの家にいってみると・・・

怪しい家はもぬけのから、

20225 部屋にはバラバラになった椅子や
引き裂かれた学生のマントがちらばり、
ファウスト博士が悪魔に連れ去られたときに天井に空いた穴のまわりに
新しい血しぶきがのこっていた・・・

​学生たちはおそれをなし
ほうほうのていで逃げ出した。

おそらくは召喚された悪魔が、
ファウスト博士同様に
彼を掴んで天井からとびだし
地獄に連れ去ったのだろう😱😱😱・・・

ファウストの、名作スピンオフと思います。
ほかにも傍流の面白い作品あれば、ぜひ読んでみたいのでご教示ください。

ぶるぶるガタガタ😨😨、
ところで今気がついたんですが
仲間たちが来た時に、例の銀貨はあったのかなかったのか???
もはや永遠のなぞ。

悪魔は人を油断させ、安逸と奢侈になれて無軌道な愉楽におぼれたところで
いっきにとどめをさす。

見方をかえれば、現代ニッポンでも、ありふれていなくもないような、

地方から上京して一人暮らしの若者が都会に幻惑されて
遊び暮らし、
実家の仕送りでは足らなくなり
安易にクレジットや、もっと危険な街金融のえじきになり
借金漬けになり、学業も仕事も破棄してしまい人生破綻の手前まで
追いつめられる・・・

書いてるだけでもこわいのですが、
ちょっとした心のすきまから、自分や自分の大切な人にまで不幸を拡げてしまう、
よくあることかもしれません。

それをキリスト教史観の昔話のひとびとは、「悪魔にとりつかれる」
とたとえたのでしょうか。

このお話のこわいところは、
「・・・こうだったのだろう」と連想させるだけで、
実際になにがあったのかさだかでない点。

そこが昔話の妙味ともいえますが、
なにがあったのか
愚考するならば・・・

本のとおりに呪文をとなえて悪魔をよびだそうとした
学生の前に出現した、
悪魔然とした怪しい人物。

悪魔と名乗る怪人は、かつてのファウスト博士の下僕であり
自称「館の管理人」。

苦学生が滞在した

何か月ぶんかの銀貨と宿賃を耳をそろえて返せ、
さもなくば地獄におとしてくれると脅す。

苦学生に返金などできようはずもなく
いいわけするまもなく襲いかかられて
乱闘になり・・・

運よく苦学生が勝ったが、
無我夢中で椅子がバラバラになるほど殴ったせいで
管理人は息絶えてしまい、血しぶきは天井までとびちった。

管理人の遺体から、秘密の地下室の鍵をみつけた苦学生が
地下室をのぞくと、
銀貨も金貨もかぞえきれないほどざくざく、
しかしいっぽうで干からびた死体の山が・・・

(管理人は殺人狂で、苦学生のように身寄りのない者が迷い込んでくるたび
銀貨で釣って館に居つかせて殺害するのが趣味であった。)

自身も殺人者となってしまった苦学生に
一刻の猶予なく、
彼は管理人の遺体をも秘密の地下室に封印したのち
身なりを変えありったけの金貨をトランクにつめ
真夜中に乗じて行方をくらませた・・・。

・・・おっと、これでは「青ひげ」のパロディですね😅。
なんともお恥ずかしい、
おそまつな文字通りの「愚考」、失礼いたしました。

こう解釈すると妥当だよ。
とか、
みなさまの鋭い意見も拝聴してみたいですね。

追記;
ちょっと尾ひれを🤔、

動転した苦学生に、聞きとる余裕もなかった
怪人の最期の言葉
「・・・先生、せんせい無念です・・・」

かつて貧民窟の捨て子だった怪人は、
ぐうぜんファウスト博士にひろわれて養育され下僕となり、
無知無学ながら唯一ファウスト博士を慕っていた。
ファウスト博士がいなくなったあと、
とりのこされた従僕は嘆き悲しみ
せんせいをかえしてくださいと
神とも悪魔ともつかぬものに祈るうち
おそろしい啓示をうけた。
(ファウストの家に逗留せしめし100人のいけにえ
を悪魔にささげよ。さすれば己の主人は復活するであろう。)

・・・それから数十年・・・
醜怪な老人となった忠実な従僕は、
悪魔のお告げのみを心の支えに両手を血に染めてきたのだが。

が。
苦学生はもちろん
落命した従僕も気づかなかったが
従僕の死で
ファウスト邸の死骸はちょうど100人目となった!!・・・

これだと、哀れさがますかなと思いましたが
うーん、これじゃ安達ケ原の鬼婆パロディか🙄😑。
なんと陳腐な・・・

かさねがさね、もうしわけありません🙇‍♀️🙇‍♀️。


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