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2022年11月25日 (金)

『ターザン姉妹』と『オオカミ少女』

20224_20221125222201 図書館で借りてきた、『​超科学ミステリー​』復刻版より、
昭和後期に子供時代を過ごした者(笑)として、
昭和のオカルトやトンデモ児童書は大好きです😅。

20221_20221125184801 有名な『狼にそだてられた子』、インドの少女​カマラとアマラ
のエピソード。
20222_20221125184801 20223_20221125184801
漫画家・​まつざきあけみ先生のブログ​にも、
カマラとアマラの記事が載った雑誌が引用されています。

1959年『少年クラブ』臨時増刊『​うそのようなほんとうの話​』

1967年『少女フレンド』50号『​オオカミにそだてられた少女​』

さがせばまだまだ出てくるかも、
「世界のふしぎ」系エピソードとしても、いかに人気があったか、わかるようです。

奇しくも

『オオカミに育てられた少女』

と重なってみえる『​ターザン姉妹​』、

鹿児島のターザン姉妹

戦後間もない頃、鹿児島県のある村に、原始人のような風貌をした姉妹が
住んでいた。1952年時に17歳だった姉の身長は1・17メートル、
15歳の妹は1・25メートルで、姉妹とも頭が小さく、額はほとんどない。
頭囲は二人とも36センチで、上あごは突出し、下あごはほとんどなく、
顔は猿に似ている。
姉妹は1年中、裸で生活して、木登りなどをしていた。
言葉は地元の方言を多少しゃべるが、簡単な言葉しか理解できない。
着物を着せても、すぐに食い破ってしまう。
この姉妹の家系は、数世代にわたって近親婚を繰り返していたので、
このような子供が生まれたのである。
この姉妹には兄弟がいたが、みな精神障害を持っていた。
しかし、二人は長生きせず、姉は20歳で、妹は29歳で亡くなった。
この姉妹は遺伝子学者によって研究の対象とされ、
地元の医者や東大の人類学の教授によって観察や調査を受けた。
その様子は学術誌にも掲載された。
当時の皇太子(現天皇)もこの雑誌を閲覧して近親婚の恐ろしさを察し、
後の結婚相手(美智子妃)を皇室外部から選ぶ一因になったともいわれる。


私がこどものころ
ちらりと読んだきり、忘れていたのですが

21世紀の情報化社会がみごとに掘り起こしてくれました。

進化するネット時代は凄い。

君たちは鹿児島にターザン姉妹が生息してたことを知っているか?

togetterより

『​謎解き超常現象​』の「オオカミ少女、アマラとカマラ」のコンテンツにも

簡単にふれられています。

・・・日本でも似たような話はあった。
例えば「鹿児島に年中裸のターザン姉妹がいる」
という記事が、昭和27年の毎日新聞に写真入りで掲載されている。
15歳と17歳の姉妹で、着物を着せても食いちぎってしまい、
年中裸で木登りをしていると書かれている。
この姉妹はもちろん、オオカミに育てられたわけではなく、
生まれ持っての先天的な障害のため、このような行動をしていたらしい。

姉妹の新聞記事が出たのは1952年。

2022_20221125184701 心理学者​ゲゼル​の『​狼にそだてられた子​』
生月雅子氏の翻訳の初出が1955年。
(のち、1967年に家政教育社より再版)

私が(あっ)と思ったのは、

二つのふしぎエピソードが
わが国で世に出た時期が意外に近いこと、

東大の先生がターザン姉妹を調査研究対象にしていたとのこと
で、このインドと日本の少女譚を
比較して照らし合わせてみると、

「オオカミがヒトの赤ちゃんを育てる」逸話は
眉唾である。と早い時期に結論もでたかもしれないのになぜ?
という印象うけました

が、
これも私の勝手な推測ですが
「時代」のパワーバランスが作用したような気がします。

まだまだ現在と比較にならないほど日本が物質的に貧しかった1950年代、
アカデミックな分野でも、
惨めな敗戦国のぶんざいで
欧米(は、キリスト教の価値観がつよく、神の慈悲により動物がヒトの赤ちゃんを育てたとか、
旧約聖書でライオンの穴に投げ込まれて無事だったダニエルのエピなど神話の影響が濃い)
のマスメディアに異議申し立てなどとうてい不可能だったのかもしれません。

そして時間が経ち、
トンデモやオカルトはともかく
欧米のアカデミズムでは「オオカミがヒトの子を育てるなどありえない」
と事実上結論づけられてからも、
日本では科学とエモーショナルの区別つけられないまま教育分野でひきずりつづけた・・・

小中高で教育のたいせつさを刷り込むために
『カマラとアマラ』の話を聞かされた人、

ゲゼルの『狼にそだてられた子』が課題図書で
大学の授業の単位とるために読んでレポート書かされた人
は昭和の終わりごろ(もしかして平成のはじめまで?)
には少なくなかったと思います。

『カマラとアマラ』にくらべ
『ターザン姉妹』に関する文献は残念ながらあまりなく、
私の貧相な検索ではみつかりませんでした。

唯一てもとにあるのが新潮新書『​異形の日本人​』、

第一章に彼女たちのことが出てきます。
著者の上原善広氏は、ターザン姉妹を観察した研究チームが、
人権を鑑みて記録を封印したと結論づけています。


時代は代わり
姉妹はもちろん当時を知る人もいない取材は困難をきわめたようで
上に引用させていただいた文面
よりくわしいことは本書にも載っていませんが、

あえて突っ込んだ取材を控える
著者の姉妹への思いやり、いたわりが伝わってきます。

上原氏は、姉妹の実家がいまも現存して家系のご子孫が住んでおられること、
実家のお墓に一族のメンバーとして
姉妹の名前と没年が明記されていること
を述べてコンテンツを締めくくっています。

いつかより詳細に掘り下げた姉妹のノンフィクションが上梓されるようにと望みます。

私が小学生のとき(苦笑)読んで
はじめてエピソードを知った

実吉達郎氏の『世界の怪動物99の謎』(サンポウ・ブックス刊・1977年)より抜粋、

・・・昭和27年、鹿児島県霧島山の麓に、18と16の二人の姉妹が、
すっ裸で、四つんばいで駆けまわり、父母が教えてもことばを覚えず、
食物も口だけで食べ、人を見ると台所のくらいところへかくれてしまう
という実話が写真入りで報道された。オオカミに育てられたのでないのに、
カマラとアマラにそっくりではないか。

この二人の少女は小頭症だったとのことで、

オオカミ少女カマラとアマラも、
小頭症のような畸型児、精神薄弱児、小児マヒなどの
不幸な捨て子や浮浪児だったのではないか。
そういう子供が、たまさか文明人に発見されると、
四つんばいで歩くとか、口がきけないなどのことから、
オオカミに育てられたと思い込まれてしまうのではないだろうか・・・

「人」の心の動きのふしぎとこわさ
に、感じ入るばかり。

『ターザン姉妹』の貴重な映像​は、現存するようです。

いつかどなたかが、動画アップしてくださることを期待します。

僭越ながら、あわせて
拙ブログ​の​過去日記​もみていただければ恐悦至極に存じます。


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