和製『ジャングル・ブック』?
1938(昭和13)年、実業之日本社刊・『日本少年』より、
赤ちゃんの頃、荒鷲にさらわれたのを
野犬に救われて育てられた野生の少年が主人公の連載小説。
『ジャングル・ブック』(+『ターザン』?)の亜流といえば
戦後間もないころ大ヒットした
山川惣治『少年王者』『少年ケニヤ』、
南洋一郎『バルーバ』シリーズ
など思いつきますが、戦前から児童向き読み物として人気があったのでしょうね。
作者の三島通陽子爵(ペンネーム三島章道)は
日本のボーイスカウト運動に尽力した人物、
挿絵は宮本三郎画伯。
なんと豪華な。
ジャングル(あるいは山や峡谷)で動物に育てられた子
が野生動物の胆力と身体能力に人の知力をあわせもち、
縦横無尽に活躍するストーリーは
子供たちに愛読され血を沸かせたにちがいありません。
さがせば
まだまだたくさんありそうです。
それにしても
『狼に育てられた子』伝説には
神話や旧約聖書もさることながら
『ジャングル・ブック』(舞台もインドのジャングルだし)
の影響が大きいのだろうなと痛感します。
« メリークリスマス。 | トップページ | がんばれ京都産業大学ラグビー部 »
「古本コレクション」カテゴリの記事
- 日支事変のころ。(2023.12.18)
- 和製『ジャングル・ブック』?(2022.12.25)
- 戦時下のユーモア・ほか。(2022.08.27)
- 時代はくりかえす。(2022.08.23)
- 恋し懐かし『少年倶楽部』。(2022.05.10)
コメント