書籍・雑誌

2017年3月21日 (火)

『巻きシッポ帝国』。

Photoはまっているマンガです。
昭和戦前の軍隊をモデルにした、イヌdogの兵隊さんマンガ。
21世紀版『のらくろ』?

本来はWEBコミックで、現在もWEB連載中のようです。
オールカラーなのでコミックとしては高価なのですが
ついつい買ってしまいました。

左の表紙は巻きシッポ帝国陸軍のリク伍長
(目つきのよくない柴犬?)。
右のアップはリク伍長の恋のライバル?
品行方正な海軍将校カイ少尉。

いちおう、リク伍長が主人公らしいのですが
くりひろげられるさまざまな人間(イヌ)模様がたのしいですhappy01

リクに思いをよせる中華料理屋の看板娘、
新米将校と当番兵のかけあい、
かたや陸軍幼年学校では
軍犬のたまごの生徒(子犬)たちが日々研鑽つんでいる。

私、幼年学校生徒監(クラス担任)のレオ中尉のファンですheart01
武骨派ではなくおしゃれでいなせ、
悠々としてクールな姿勢がカッコいいlovely

(擬人化するとしたら、往年の二枚目映画スター・上原謙さんcoldsweats01??)

富士山ろくで相まみえた
高貴な令嬢(チワワのお嬢様?)
とレオ中尉の軽妙なやりとり、とてもわらえますhappy02

巻きシッポ帝国75 偵察

ミリタリーファンにもうけるでしょうが、
とにかくこの漫画家のかた、
イヌdogをかくのが上手いなあ。

キャラがみんないきいきして、
ワンちゃんへのなみなみならぬ愛情がつたわってきます。

アニメ化tvされないかなあ?


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2017年3月20日 (月)

どうでもいいこと。

かの名探偵エルキュール・ポアロさんについて
翻訳にはその外見を

「タマゴ型のつるりとした頭にピンとたてた気どった口ひげ」

とありますが、
日本的には(笑)

ハンプティ・ダンプティがカイゼルひげをはやしたようなスタイルを連想するのですが、

映画やドラマではまり役だった名優ピーター・ユスティノフさんは
ちゃんと御髪があり、
ボアロさんに御髪があるかないかはファンの間でも論点なのだそうです。

現在もNHKBSプレミアムで拝見できるデヴィッド・スーシェさん
も、これまたはまり役で原作からぬけだしてきたようなボアロさんですね。

ぎゃくに、ハンプティ・ダンプティスタイルでない、つまり
御髪のある「タマゴ型のつるりとしたあたま」って
どんなんだろう???とイメージがわきませんでしたが、

ある日、つけるともなくつけていたTVをみた実父が
「あっ、つるりとしたタマゴ型のあたまにカイゼルひげ!」
とつぶやいたので、

私もみて(あっ)と納得しました。

Photo
明治時代(幕末?)の肖像写真。イケメンですね。

佐々木穣先生の『武揚伝』も読んでみたいのですが、かなり大作なので読了できるか自信がないのですが、まずは図書館で借りてこようかしら。

新国家構築のブレーン、
二君に仕えた開明派。

このかたの数奇な生涯、五稜郭までは劇的な半生ですが
むしろ後半生の軌跡の充実をもっとくわしく知りたい気がいたします。

NHKはいつ大河ドラマにとりあげてくださるのでしょうか。

時代の転換期に、大河ドラマの主役にこれだけ相応しいかたはおられないと思うのですがconfident


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2017年2月17日 (金)

ありがとうディック・ブルーナさん。

Photo_2ピーターラビットとならんで世界一有名なうさぎ、
ミッフィーちゃんの生みの親・ディック・ブルーナさんが天国へ旅立たれました。

これ以上ないほどのシンプルな線と色の構成、
誰にでも描けそうでいながらブルーナさん以外描けない
明快なオリジナリティー。

ミッフィーちゃんふくめキャラクターに託した
こどもたちの日常を優しく見守る眼差し。

もう10数年昔になるので、むしろびっくりするのですが、
2002年放映のNHK『未来への教室「ディック・ブルーナ 幸せを運ぶ絵本」』
は、もういちどみたいなあlovely。再放送してほしいです。

この番組をみて、絵本から伝わるとおりの
かざらないあたたかな人柄に、いっそうブルーナさんのファンになりましたconfident

どうか安らかに。
天国でもやはり笑顔で作品制作なさっているのかなとイメージします。

たくさんの夢と希望を、ありがとうございました。

ミッフィー作者「ディック・ブルーナ」のスゴ過ぎるこだわり


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2017年2月 4日 (土)

帰天 

Photo中曽根政権下で文化庁長官つとめた作家の三浦朱門さんがお亡くなりになりました。
91歳。
『第三の新人』と謳われた同世代のみなさま、

遠藤周作先生、安岡章太郎先生、北杜夫先生たちと
いまは天国で再会してにぎやかに談笑なさっておられるでしょうか。

才色兼備の女流作家で賢夫人の曽野綾子さんとは
おしどり夫婦で知られていらっしゃいましたが、
才媛の曽野さんも30代の若いころに長期間うつ病で苦しんだり、
50代には眼病手術もあったりして
華やかな活躍のかげに、温和でスケールの大きなご夫君の支えは多大なものだったろうと察します。

現在のように高齢少子化、高齢者介護が大きな社会問題になる以前の
1980年代に「家族」と「老い」や「生」をあたたかく究明した新聞連載エッセイ
『四世同堂』は好著でしたね。

その朱門さんご自身が、近年は要介護になられ、
老々介護の当事者となられた曽野綾子さんのご苦労もなみたいていではなかったと思います
(立ち読みレベルなのですが、床につく時間の長くなった朱門さんのためにあまり外出せず在宅している奥様を気づかって、『君もたまには取材旅行にいっておいで』とすすめる夫君の優しさ)。

曽野綾子独占手記 夫・三浦朱門を自宅で介護することになって

もちろん社会的にも経済的にも一般人とは比較するべくもない恵まれた境遇に
いらっしゃるとは思いますが、

すでに文学的同志やパートナーを越えてお互いに自分の半身のような存在ですから
のこされる側のかなしみやつらさもいかんともしがたい事でしょう。

曽野綾子さんは学生時代に同じ文学グループで朱門さんと出会い、
卒業するかしないかの早い時期にご結婚されたので、結婚歳月はすでに60数年。
なんともうらやましいです(私ですら、その半分の30年にもまだとどかない(^^;))。

雑誌で若き日のご夫妻の写真を拝見したことがありますが、
映画のワンシーンのような、ためいきがでるようなお似合いの美男美女でしたね。

曽野綾子さんの『太郎物語』を下敷きにしたNHKドラマ『太郎の青春』では
ご夫妻がモデル
の主人公の両親
を長門裕之さんと岸田今日子さんが演じておられました。

どうか安らかに、
そして糟糠の奥様を天国から見守ってくださいますように。


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2016年9月 8日 (木)

もっと、エマ・ハミルトン

エマ・ハミルトンで検索していてすてきなウェブサイト発見しました。

やはり、餅は餅屋というべきか、本国はさすがlovely

http://www.emmahamiltonsociety.co.uk/

公式サイトかと思われるほど充実した内容

で、ネルソンとエマの子孫にあたる皆様の代々のご家族ご紹介も載っていますhappy01

貧しい階級から身を起こし、

美貌と才気でナポリ駐在大使夫人・レディーハミルトン

にまでのぼりつめ、

イギリス救国の英雄ネルソン提督との激しい不倫の恋。

3ロムニーを筆頭に、当代一流画家がきそって

後世にのこした明眸皓歯な彼女の美しさkissmark

劇的な人生の軌跡、こちらのサイト訪問すればエマのすべてがわかる。

さらにうれしいのは、推薦図書で

膨大な量にのぼるであろう
エマに関する文献を記載してくださっていて、

(いま私の手もとにあるケート・ウィリアムズとノラ・ロフツさんの本も入っています)

そのうち出版年が古く絶版になった本(復刊されているものもあるようですが)

に関しては

ウェブ閲覧可能なリンクしてある絶大サービス(なんとありがたいhappy02)。

(・・・あとは、こちらの英語力の問題だけ(苦笑)。)

好奇心をひかれるのは

Recommended Reading

デュマの『レディーハミルトン』がリストアップされていないこと

(原作・1968年版映画ともに)、

ヴィヴィアン・リーとローレンス・オリヴィエの『美女ありき』

は(史実をもとにしたフィクションですと注釈入れながら)しっかり入っているのに。

・・・史実のエマのファンにとって

あまりうれしくない内容なのかとかんぐってしまいます。

ともあれ、ウェブサイトは成長するので

今後も埋もれたエピソードや名作の発掘、さらに新作の傑作が刊行されて

ふくらんでゆくのだろうな

と、とても楽しみですheart

さらに欲をいえば児童書も紹介していただきたいのですが

(こちらの貧相な英語力の問題でcoldsweats01(苦笑))・・・

国民的英雄ネルソンに関する児童向きの本は数多あれど、

エマを児童書はむりかなあ(不倫だし)。

ということでエマ・ハミルトンお好きなかた、

興味もってくださったかたは、ぜひ。

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2016年9月 6日 (火)

稀代の美女・エマ・ハミルトン

「買い」な本を入手しました。

『Norah Lofts』(『Kate Williams』と同じく歴史伝記小説が得意分野のようで、

エレアノール王妃やその息子リチャード獅子王、アン・ブーリン等

英国史上の有名人を数多く手がけられているようです)

というかたの著書『Emma Hamilton』。1978年刊。

ハードカバーはいささか重いかなと思ったのですが

全208ページと

伝記としてはページ数が少なく

貴重な図版が多数あり

なにより文字が大きくてみやすいのが

(老眼にも、英語力ゼロにも)とてもうれしい。

しかもタイミングよく送料込みで1000円ちょっとで購入できました。ありがたきしあわせ。

5表紙はエマの美貌を多数の不朽の名画にのこした

ジョージ・ロムニーの有名な一枚。

エマ、このころ二十歳になるかならないか

でしょうか。

いま読んでいる『Kate Williams』の『England's Mistress

のエピローグ(苦笑)がおわったら、

さっそく読みたいです。

もし現代に生まれていたら、彼女は

ハリウッドスターかスーパーモデル、

その美貌と才気、表現力で

世界的な有名人になっていたかもしれません。

2彼女お得意のパフォーマンス『アティテュード』。

ギリシャ風の簡素なドレスに1枚のショールだけで

ポーズや表情でたちまち

古代の美神やニンフ、演劇のキャラクターから泰西名画中の人物まで

変幻自在に表現するのだそうです。

あのゲーテも大絶賛。

1ナポリの画家が描いた

ポジリッポ海岸のネルソン提督とエマ。

ナポリ郊外の風光明媚な景勝地ポジリッポ、

中央左寄りにネルソンとエマがお人形のように愛らしく描かれています。

いずれも本文より引用。


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2016年8月27日 (土)

魅惑のエマ・ハミルトン

ヴィヴィアン・リー主演の古典的名作

美女ありき

で、わが国でもよく知られるようになった、美女エマ・ハミルトン

貧しい村娘が、

ロンドンに出て小間使いや女中奉公、

やがてその美貌と人の心をとらえる魅力で

男性たちの間を渡り歩き、

ふつうならそこでお金持ちに囲われておわりそうなところを、

運命に導かれて

ナポリ駐在大使・老ウィリアム・ハミルトン卿の後妻に迎えられ

ナポリ社交界の頂点に。

名門ハプスブルグ家出身のマリア・カロリーナ王妃crownとも昵懇の仲になる。

セレブの仲間入りを果たしたかにみえた

彼女に
対ナポレオンの守りとなるべくナポリに加勢を要請する

イギリス海軍・ネルソン提督との遭遇。

世紀の恋。

1805年のトラファルガーの海戦まで、

熱烈な恋愛の期間は、わずか7年。

しかもその間ほとんどネルソンは海上勤務で

逢えない時間のほうがずっと長かったと思われます。

ハミルトン卿が亡くなり
ネルソンは戦死。

彼女を守ってくれる人がいなくなりました。

ネルソンは救国の英雄にまつりあげられ

その一族には多大な栄誉および資産が下賜されてうるおいましたが

不幸にも

愛人のエマとエマにのこされたネルソンの忘れ形見の愛娘ホレイシアは

国家に無視されてしまいました。

ネルソンの名誉の戦死から10年後の1815年、

フランスの港町カレエで

世間から忘れ去られた貧窮のうちに

絶世の美女・エマ・ハミルトンはひっそりと息をひきとりました。

どんな小説や演劇よりもドラマティックな

リアルシンデレラストーリー、女性一代記。

わが国でエマをとりあつかった作品といえば

加瀬俊一『美女ありき 提督ネルソンの恋人 その破滅への情熱』(1971年・文藝春秋社刊)

が秀作です。

あと、中野好夫『人間うらおもて』(1994年・ちくま文庫)

所収の『提督ネルソンの恋』。

ほかに邦訳ふくめ

国内でエマ・ハミルトンに関するくわしい書物をご存じのかたいらっしゃいましたら、

ぜひ教えてください。お願いします。

インターネットpcで検索すると、たちまち情報がでてくる、

ファンにとってはとてもありがたい時代です。

イギリス本国では、現在もネルソン提督は国民的英雄、

そのネルソン最愛の恋人のエマに関する書籍も

フィクション、ノンフィクションあわせておびただしいようです。

が、こちらの英語力が(笑)(泣)coldsweats01・・・

私の英語レベルといったら、英検3級でもあやしいぐらい(苦笑)で、

学生時代にもっと勉強しておくべきだった

とこんなときはじめて痛感する(苦笑)のですが、

それでもファン心理(笑)というやつで、
高校時代(30年以上前! !)の辞書と単語帳引き引き、やっさもっさ。




お手頃な価格(1000円以内でないと、買えない悲しい身分(笑))
で入手した、エマの伝記。

筆者のKate Williamsは、検索すると
ナポレオンの皇后ジョゼフィーヌやビクトリア女王、
現・エリザべス2世陛下の若き日々
等、歴史上の有名人の著作で活躍する、人気作家のようです。

もっぱら最後尾の
ネルソンなきあとの彼女の悲劇的晩年にしぼって読んでいるのですが
(ひどい読み方ですが、全編通して読もうとすればこちらがそれだけで一生おわってしまいそうwobbly)
さいわいにも難しい言い回しはなく
平易な表現で、

しかもぐんぐん引き込まれてゆきます(さすが!)happy02

彼女の最晩年の悲劇は・・・

ひとつには華美な生活を好んだ彼女自身

のとほうもない浪費なのはうたがいありませんが、

大使の任終えた夫君ハミルトン卿やネルソンとともにイギリス本国に帰還

したことにも一因あるのかも。

・・・ナポリではエキゾチックなエトランジェとして

社交界を席巻した彼女も、

本国イギリスの体面重んじる上流社会?

では成り上がりの下賤な女性としか扱われなかった、

しかも善人でおだてに弱い彼女は、

なんとかして宮廷にコネをつけたいいっしんで

(これも実はネルソン生前に、賭博ふくむ浪費癖で秘密の負債を莫大にこしらえていたので、

「大使夫人としての海軍ならびに政府への多大な貢献」したとのふれこみで、

政府からの年金下賜が目的だったのですが、イギリス政府は先刻お見通しで、

薄情にも無視されてあてがはずれた)

貴婦人たちと変わらぬ浪費をつづけ、いっそう借金がかさみ手元不如意になるという悪循環。

・・・現役大学生の息子に

(最近は大学の方針で、毎年強制的にTOEIC受験させられるらしい)

ここのイディオム教えて、

と懇願すると一瞬だまり、

「・・・PCで検索すればでてくるgawk

と冷淡ににげられるばかり(苦笑)。

・・・ぼつぼつ、内容の紹介や感想もしてゆけたら・・・と思います。


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2016年8月25日 (木)

デュマの『レディーハミルトン』

おそまきながら、

文豪アレキサンドル・デュマが小説『レディーハミルトン』
を執筆しているのを知り、

アマゾンで検索しても

出てくるのは洋書しかもなぜかドイツ語版ばかりで、もうお手上げcoldsweats01(苦笑)。

わが国でも著名なデュマ、

『三銃士』と『モンテクリスト伯』は

児童向きから原書まで、おびただしい翻訳はもちろん

欧米ではくりかえし映画化・ドラマ化され、

たえず日本にも紹介されていますが、

知られざる

あるいは埋もれている力作・名作あまたあるんだろうなあ

と、ためいき(笑)。

もしかして、もしかしたら
デジタル化はるか以前の
選集や全集ふくめ

古い翻訳で、でていないとはいいきれないので、

ご存じのかたおられましたら、どうかご教示こうしだいでございます<m(__)m>。

映画化もされているんですね!

予告一見して、
なんじゃこりゃあポルノかcoldsweats02???
と一瞬でも思ってしまった不埒な私をお許しくださいcoldsweats01

イタリア・西ドイツ(当時)・フランス・アメリカ
合作映画とのことで、俳優さんがしゃべっているのもおそらくドイツ語で、
まるでわかりませんcoldsweats01

エマに扮するミシェール・メルシェは、
わが国でもロングセラー、
木原敏江さんのコミカライズでもおなじみの『アンジェリク』シリーズ
でも主演した女優さん、

妖艶かとおもえばあどけなく、

コケティッシュな魅力kissmarkで男性たちをとりこにする、

実在のエマになんとなくイメージが重なりますlovely

1960年代を代表するスターのおひとりですね。

いつかゆっくりみてみたいです。


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2016年8月13日 (土)

『少年倶楽部のなぞ』シリーズ平和の風3

1_2表紙帯より、

昭和12年、後楽園球場での「巨人対阪神」戦を親友の喜多さんと観戦しにいった

八二(はちじ)は、ぐうぜんにも『少年倶楽部12月号』を手に入れる。

喜びもつかのま、その『少倶』には、暗号文のような書き込みがしてあった。

それはいったい何を意味するのか・・・・そして、特高警察までが、

八二と喜多さんをつけねらってきた・・・。

戦争の時代を生きた、川柳人の姿をえがく創作文学。

川柳作家、鶴彬。本名・喜多一二(きた・かつじ)。

反戦川柳作家として活躍し、若くして亡くなったこのかたを

この本をみるまで存じませんでした。

反戦川柳作家・鶴彬

川柳で侵略戦争と戦った若者、鶴彬

反戦川柳作家 鶴彬の生涯

作者の吉橋通夫さんは児童文学部門で活躍しておられますが、

大人向けに鶴彬の伝記小説も執筆されているのでこちらもいつか読んでみたいです。

野球好きな小学生の八二(はちじ)少年。

家が材木屋を営んでいるために、ひんぱんに出入りする「木材通信社」の編集者・喜多さん

と仲良し。

喜多さんは28歳、目元すずしい二枚目だがいつもお金に困っている。

文学に造詣が深く、キャッチボールの相手だけでなく

八二少年に川柳のおもしろさを指南してくれる。

3八二少年が後楽園球場のトイレでみつけた『少年倶楽部』。

じつは忘れ物と見せかけて、「二十面相」が同志にわたすためにわざとおかれたものだった。

本文中には、えんぴつで暗号文のようなしるしがつけられていて・・・

4喜多さんは、『二十面相』に心当たりがあるらしい。

「何者なの?」

「正義の味方だ」

「正義の味方が、どうして警察に追いかけられるのさ」

「正義の味方だから、追いかけられるんだよ」

2気がつけば

見えるところ見えないところ、『二十面相』をマークしているらしき

特高警察の目が光っている。

検挙歴のある喜多さんもまた特高にリストアップされている要注意人物

とうすうす知り、緊張する八二少年。

ふたり、なにくわぬ顔で駅のホームで電車を待っていると、

横須賀海兵団の水兵が、八二少年の手にした『少倶』をじっと見ている。

・・・尾行をまきまき、市電で喜多さんが知っているという『二十面相』の家に向かうふたり。

5いろんな人が行き交う、東京駅。

工場で酷使され、身体をこわして郷里に帰る若い娘さんの姿に

喜多さんは社会悪への怒りを燃やす。

ふるさとは病いといっしょに帰るとこ

 

もう綿くずも吸えない肺でくびになる

「あんな若いむすめさんを、ボロボロになるまでこきつかって、

大もうけしている資本家のブタどもめが・・・」

喜多さんの、こんなこわい顔を初めて見た。

八重洲口で、赤ちゃんをせおったお母さんが

通り過ぎる人々に千人針をたのんでいる。

ベンチでぽつねんと、歌をくちずさむ傷痍軍人。

万歳とあげていった手を大陸へおいて来た

 

手と足をもいだ丸太にしてかえし

 

(・・・時代に匕首をつきつけるかのごとく、鋭い句。)

ようやく目的地とおぼしき家にたどりついたものの、

家の前には先回りした特高が・・・。

みずから喜多さんのつかいをかってでる八二少年、

なにくわぬ顔で特高の前をとおりすぎ、家宅訪問。

喜多さんにいわれたとおり、

「鶴さんの使いで来ました・・・」

と呼びかけると、かいがいしくむかえてくれた宅のおばさん、

案内された部屋には、なんと見覚えある水兵が・・・

「川柳作家の鶴彬というお名前、ごぞんじでしょう」

「はい、するどい人ですね。

『屍しかばねのいないニュース映画でいさましい』

という句など、戦争のみにくさにフタをする報道の役割を、みごとにあばいていますよ。

機会があれば、一度会ってみたいものです」

「この少年は、彼の使いで来たのですよ」

「奥さん、なぞがとけました。鶴彬氏が、あの雑誌をみて、わたしたちの連絡文書

だと気づき、それでこの少年をよこしたのですよね。これは、まれにみる幸運だ」

水兵に市電までおくってもらう帰途、待ち伏せていた特高に襲われるも

間一髪、水兵が返り討ちしてことなきをえる。

「二十面相さんやみなさんは、何をしている人たちなんですか」

水兵さんがニコッとわらった。

「天皇の命令にそむく国賊さ。では、鶴彬氏によろしく」

・・・はからずも、第二次大戦前夜の反戦レジスタンス?

の地下活動をかいまみた八二少年。

が、もちろんそのまますまされるはずもなく、翌日

木材通信社に警察がおしかけ、喜多さんは逮捕。

拘置中に発病し赤痢で入院した死の間際の喜多さんに、

10分だけ見舞いにゆくことができた八二少年は、最後の句を託される。



暁を抱いて闇にいる蕾

「たとえむしりとられても、つぼみは、また必ず芽を出すだろう。

そして、ふくらみつづけて、いつの日か花ひらくものさ。

君も、大きくなったら、そんなつぼみのひとつになってほしいな」

暁を・・・

は時代を越えてみる者の心ゆさぶる名作です

が、

本作はくもりなき子供の目で暗い時代の側面をきりとった反戦作品なのでしょうが

物語としては成功作とは思えません。

『二十面相』がだれで何者なのか、

同じくおばさんや水兵は何者か、鶴彬とどう接点があるのか、

なにを活動してるのか、

ほのめかすだけで、すべて謎のまま。

1991年、汐文社刊ですが

今後復刊されたときには、

戦後おとなになった八二少年が彼らと再会して

なにもかも解明される後日談を付け加えてほしいです。

あと、細かいことなのですが

小学生の八二少年がつめえりの通学服なのがちょっと気になります。

昭和戦前の学生服は

小学生は折れた衿、中学からは詰襟。

だったような。

もちろん、小学生のつめえりがなかったとはいいきれませんが

(学習院初等科は紺のつめえりでボタンのみえない比翼仕立て)、

昭和日常博物館

ほかならぬ『少年倶楽部』

昭和8(1933)年発行復刻版表紙。

えり付きの通学服を着た小学生、

こちらは昭和16(1941)年5月号表紙。

真珠湾攻撃の半年ほど前、

すでに国民服統制令がでていた頃?

小学校の名称は国民学校で児童は少国民、

白い衿の通学服は

『はだしのゲン』も着てましたね。

そういえば、『おそ松くん』も・・・

小学校の通学服は、戦後の昭和30年代まで、残っている地域があったのだそうです。

だいぶ脱線してしまいましたが、

歴史の闇に惜しくものみこまれた逸材の、鶴彬もそのおひとりですね。

戦争や戦時下の悲劇は、多種多様な人材の消耗損失だと痛感せざるを得ません。

とはいえその精神は朽ちることなく珠玉の作品にとどまり、

永遠の感動をよぶことに心うたれます。


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2016年7月22日 (金)

『暮しの手帖』の直線裁ち。

今週の『とと姉ちゃん』、ついに直線裁ちがでてまいりました。
戦後すぐの衣料不足の時代に、
花森安治氏が提唱はじめ、長年『暮しの手帖』のバックボーンだった
直線裁ちの服

型紙もこむつかしい洋裁の技術も不要、
裁ち残りも少なくて布をむだにせず合理的。
まっすぐ縫えば洋服ができあがる。

じつは最近、『まっすぐ縫い』がしずかなブームで
ブティック社はじめ各社からテキストが出版されてうれしいのですが

本家本元(笑)というべき暮しの手帖社に、

ぜひ昭和の生活史をなぞる意味でも
直線裁ち』集大成の本を出版していただきたいなあと希望します。

花森安治氏なきあとの

今から30年前、1986年7・8月号に掲載された『ゆかたの直線裁ちと色』。

1ゆかたの反物2枚を中心で接ぎ、肩を「わ」にして
えりぐりをあけた、まっすぐな服。



まっすぐな服にベルトをしめるときれいな線がでて
2_2しゃれたドレスに。

左は同様なまっすぐな服のえりぐり部分をたてあきにしてVネック、
ポケットつき。

4丈を短くして、まっすぐなブラウス。
たて・よこに縞をいかすのがおしゃれ。

左はやや本格的にスタンドカラーのT型チュニック。
現在また流行になっているスタイルですね。

暑い暑い時期
かんたんにつくれて風通しよく着ていてらくな
直線裁ちは、いいですね。

『とと姉ちゃん』、みのがしたかた、もういちどみたいかたは、こちらから。


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