1日に、BSで放映されたデジタル・リマスター版
『ウエスト・サイド物語』
録画して、たらたら(笑)と観ています。
1961年の映画ですが、映像がクリアで綺麗でやっぱりデジタルはいいな、と。
劇団四季や宝塚歌劇でくりかえし再演され、
この夏は本場ブロードウェイのキャストが来日公演決定という、
ミュージカルの金字塔。
『ウエスト・サイド物語』あらすじ・キャスト・評価まとめ【名作ミュージカル映画】
キャラクター紹介
後味の悪い話 ウエスト・サイド物語
NY下町の不良少年グループの抗争なのですが、
映画は今みると、とてものどかで「古き良きアメリカ」の郷愁すら感じます。
舞台劇なので当たり前とはいえ
カーチェイスも建物爆破
も銃撃戦も出てこない。
(ナイフとピストルで人が3人も亡くなっているので、実際は「のどか」なはずないのですが
・・・)
ロミオとジュリエットに該当する、トニーとマリア。
ふたりともどうみたって『不良』にはみえません
。
娘「マリアぜんぜん『不良』じゃないよ。お兄ちゃんがグループのリーダーってだけで」
人種のるつぼ、NY。
その下町にくらす移民の人々の間にも、お互いへの差別意識や拮抗がある。
家族ぐるみで何度か会う機会でももうけて、
ゆっくりわだかまりをといたらよかったのに
とも思いますが、
なにしろ出会って恋におちてから
トニーが殺される永遠の別れまで、わずか2日。
青春とは、なんと駆け足なのか。
悲しみはふかくても、のこされた者たちの人生はそれよりもずっと長くつづいてゆく。
『ウエスト・サイド物語』 マリアの不思議
ウエストサイド物語 (1961年) アメリカ映画
生き残ったマリアがどうするのか、
ジェット団とシャーク団がどうなるのか、
気になることを観客の想像にまかせる、余韻をもたせるラスト。
・・・私の妄想(笑)ですが、
瞬く間に過ぎ去った青春と同じく、マリアの結婚も早いんじゃないかなと。
なにより、ベルナルドを失った悲しみにくれる両親が、
彼女がはやく身を固めることを望みそうな気がします。
彼女が結婚するのは、ベルナルドの友人か
もしかしたら思いがけずお金持ちに見そめられてシンデレラになるかも。
そうでなくとも、ブライダルショップの美しいお針子をまわりの男性たちがほっておかないでしょう。
やがてマリアは平凡でも幸せな家庭をきずき、
子どもたちは系譜にとらわれることなく、現代のニューヨーカーとして成長してゆく・・・
「ウエストサイドストーリー」に後日談があったら…??
「ウエストサイドストーリー」に後日談があったら…??
1950年代から60年代、
プエルトリコにかぎらず、中南米から移民して縫製の仕事
につく女性はNYでは引く手あまただったようです。
恋にうかれ、仕事場で歌い踊りはしゃぐマリアに、
ブライダルショップのマダムがぴしゃりと、
「仕事しなさい。シンガーになりたいなら出ていってちょうだい」
マリア、当意即妙に
「シンガーにはなりません、ミシンは『シンガー』ですけど」
みどころは、なんといってもジョージ・チャキリスとリタ・モレノの
圧巻なダンスと歌なのですが
マリアに扮するナタリー・ウッド、うっとりするほどかわいい
。
彼女の最盛期ともいうべき1960年前後、
ベトナム戦争の泥沼以前、貧しかった日本が豊かなアメリカにあこがれ恋いこがれていた時代。
ナタリーはまさにアメリカのもっともよい時代、『グッド・オールド・デイズ』
のアイコンですね。

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