『君は薔薇より美しい』
TVの歌番組から流れてくる
布施明さんの熱唱に、思わず吸い寄せられました(笑)。
芸能にはうといのですが、
ネットで検索かけると、この名曲にまつわるエピソードやロマンス
をくわしく解説してくださっているサイトが見つかりました。
いやー、ネットはべんり。
1979年春のカネボウキャンペーンソング、
作曲ミッキー吉野、
演奏はゴダイゴ、
イメージキャラクターはオリビア・ハッセー。
いま考えるとあたまがくらくらしそうなほどのゴージャスな人選、
なんと贅沢なプロジェクトでしょうか。
およそ日本的でないヨーロピアンポップスふう無国籍サウンドの
うつくしい旋律に、
カンツォーネやシャンソンにも比肩する布施明の歌唱力。
対する資生堂はCMに
カトリオーナ・マッコール、
当時イギリスで映画化されて話題になった『ベルサイユのばら』
主演のレディーオスカルを起用、
この両陣営の好対照はとてもインパクトがあったようです。
(『君は薔薇より美しい』とは、もしや『ベルばら』とかけあわせたしゃれ?)
作家の堀寿子さんは
『女性のしあわせ120章』(立風書房刊・のち角川文庫)中に
その印象をかきとめておられます。
・・・滞在中に、テレビはよく見ました。
おかげで、化粧品のキャンペーンのため、日本を訪れたイギリスのふたりの女優を
比較することができました。一日に何回となくCMに現れてくるのですから。
ひとりはフランス革命の歴史劇で登場した新人で、顔も姿もととのっていて美しく、
見るからに健康美に輝いています。
もうひとりは、ジュリエットという大役で一躍スターになったものの、最近出演した映画では、
あまり個性を必要としない役のせいか、淡い印象しか与えられませんでした。
しかし菜食主義だという彼女は、ほっそりとして目がきわだって美しく、前者のような鮮明
な美しさというより、陰影のある魅力を漂わせていました。
この翌年、オリビアは角川映画『復活の日』に出演するなど
当時日本での仕事が多く、
「薔薇より美しい」彼女の全盛期を堪能した日本のファンは幸運でしたね。
時代は廻る、一瞬の鮮烈な記憶をのこして。
されど名曲は永遠に。
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