蠱惑(こわく)のびん細工。
蠱惑(こわく)とは、神秘的な魅力で人の心をひきつけて、惑わすこと。
・・・と、日本語表現インフォにあります。
「びん細工」で検索すると、『びん細工手まり』
というキーワードが出てきて・・・
美しい手まりを封じ込めたびん細工は、滋賀県愛知郡愛光町
の有名な伝承工芸なのだそうです。
鮮やかな花びら柄を丸いガラスにとじこめて 伝統のびん細工手まり445点
同様なびん細工は各地にみられ、
手まりやくす玉のほかに、人形や糸巻きをあしらったものもあるとか。
来館者に感動を与えるふたつの特別展
有名な「ボトルシップ」の仲間でしょうか。
小さな瓶の口から到底入れるのが不可能な大きさの
舟や手まりをどうやって組み立てたのか、この謎かけが最大の魅力なのでしょう。
私は
グラフ社のハンドクラフトシリーズ「おばあさんの手芸」(1978年刊)
で「びん細工」なるものをはじめて見ました。
横浜に住んでいらした明治生まれの林芳枝さんというかたの、
70歳から93歳までの手芸作品が掲載されていて、
作品の美しさや巧緻さ、また日々手芸に取り組まれる感性の瑞々しさに
ただ感動させられました。
林芳枝さんの作品は
ちりめん細工や千代紙細工、お人形から編み物
と多岐にわたり、
出来栄えも趣味の域をとびこえて
いわば「生きた手芸百科事典」、人間国宝クラスというべき名人です。
(林さんはその名人級のわざを当時の若手手芸作家のみなさんや出版社編集部に伝授されたのち、
100歳ほどで惜しまれつつ天寿を全うされたようです。)
この林芳枝さんが、とくに好んでいたといわれるのが
ほかならぬ「びん細工」だったそうです。
本文より
「一番お好きな手芸は何ですか」との質問に、
「私はあまのじゃくだから、人があまりやらない
びん細工が好きよ」
と林さんの答えが返ってきました。
なるほど、林さんの作品群の中で、
びん細工は他を圧倒しています。
びんの中の作品は、汚れや傷みがほとんどないため、
今もあざやかです。
手元に残っている30個のびん細工が全部そろうと、
不思議な世界にひき込まれるようで、みごとというほかありません。
・・・百聞は一見に如かず、
ページを繰っては、ただみとれるばかり。
手まりや薬玉もすばらしいですが、個人的には
お人形のびん細工に惹かれます。
いささかオカルティックですが
錬金術師のホムンクルス(人造人間?)生成を連想するような・・・
物言わぬはずの人形たちが
いまにも語りかけてくるような、
耽美な幻想の世界。
びん細工のなかのカップル、いいですね。
光源氏と紫の上、梁山泊と祝英台、ラーマとシータ
等々・・・、いろんなバリエーションを思いつきそうです。
現在なら、食玩や
うんと緻密なフィギュアやガレージキットを
びんに封印して・・・
と妄想の楽しみ(笑)が広がってゆくばかり。
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